温和な声、絶妙な間の取り方、その中にも抑揚(よくよう)があり…、誰もがその語りに癒やしを覚える。子どもたちに絵本を読み聞かせて幾年月。ひばりの会代表細田愛子さん(83)=横町=の行く先は、いつも多くの母子でにぎわっている。定期的に図書館や生涯学習センターで朗読や絵本の読み聞かせを行い、児童館では工作教室を。また、生涯学習センターと児童館の共催事業では、天白テニュア(シニアボランティア)として、ピアニストの河野慶子さんと歌や絵本、紙芝居などで遊ぶ、子ども向けの催しを開いている。他にも細田さんの活動は多岐にわたり、それら長年の活動に対し今春、文科省より「子ども読書推進優秀者賞」を受賞。震災の影響で先送りになっていたが、今月29日、東北大学で行われる表彰式に出席する。
きっかけは細田さんのお子さんが幼少期に体が弱かったことだった。「たびたび原因不明の熱を出し学校も休みがちだったので、よく本を読んで聞かせました」。そのうち自宅で家庭文庫を開き(昭和35〜36年当時=緑区)、その文庫は地域のお母さん仲間と協力し合い地域文庫へと発展した。40年ほど前に天白区へ転居してからは、「図書館はこうあるべき、理想の図書館とは」と、天白図書館設立のために勉強を重ね、本山市長(当時)の元へ足を運んだ。52年には念願の天白図書館が開館。館内の「おはなしのへや」は市内で最も広く、温かな雰囲気を醸し出している。
読み聞かせの際、時にお母さんたちから子育ての相談を受けることも。「子育ては大変だけれど、楽しさの方が先に立つはず。子どもから学ぶこともたくさんあるでしょう。子育ては確実に親を成長させてくれますね」と優しくほほ笑む。その笑顔、立ち居振る舞いからはとても年齢を感じさせない。「いつも楽しいことを追求しているからかな?」と笑い、あまり年齢を意識をしていないことも若さの秘訣(ひけつ)のようだ。
20代の頃に絵画教室で出会った夫、ひろしさん(82)は元デザイナー。紙芝居の絵はひろしさんが担当。「まあ、こちらが望むように描いてくれますから、ありがたいですね」と照れも半分、感謝の気持ちを語った。
